ロバート・ロドリゲス/デスペラードより

はい、もうお察しかと思いますが、2週間のトライアルも無事終了いたしましたのでご紹介します!わが家の一員となるナチョ シュ(9歳/♂/チワワ)です!気の強そうな、いい面構えしてるでしょう(^∀^)

かんしゃく持ちで、イライラ不安定なガラスの10代の心をもった、あまったれのデレ助です。唸るし吠えるし口も出ますが、とにかくめっちゃいい犬です。ポテンシャルの高さは天井知らず。素晴らしい犬ですよ。

ラナとおなじWonderfulDogsさんが崩壊ブリーダーよりレスキュー、その後預かりボランティアの仮母様のお宅でシューちゃん♥️シューちゃん♥️と、惜しみなく愛情を注がれ、その名にとてもよく反応するようになっておりましたのでわが家での名前はシュにすることにしました。
※とご紹介してたんですが、迎えるまえ、じつはナチョって名前を候補にしていたため、愛称でナチョと呼んでいたら、ナチョで馴染んじゃったのでナチョに変更しました

トライアルまえのナチョシュには、譲渡会で2回ほど(9月と12月)会っていました。9月の青山での譲渡会をブログに書きましたが、そこにシュも登場してます。そして12月入ってから巣鴨のリフレックスさんでの譲渡会。このときに、諸条件が整い次第、わが家に迎えたいというお話をさせていただきました。8月に保護されたシュ、迎える前にわたしがとても慎重に考えていたことなどを含め、トライアル中の現在までのお話しをしたいと思います。

迎えるまでの葛藤

ナチョのファーストインプレッション

今年の8月、ワンドクさんでナチョを含むスムース&ロングチワワ7匹を保護し、ラナの預かりボランティアさん宅にも何頭かのスムチーがやってくるよ、というお話を譲渡会のときだったかなー、伺って、チワワに身も心も捧げて生きてきたわたしとしてはこんどはどんなコたちがやってくるんだろう、どんな幸せをつかむんだろう、あたらしい家族のもとに巣立つまで応援してあげたいなと思い、お披露目を心待ちにしておりました。

そして9月の青山譲渡会に参加していたナチョ。もう本当に、ハートど真ん中打ち抜かれましたね!どのくらい長い時間、ファーマーズマーケットの会場にいたことでしょう。周囲には美味しそうなお店がたくさん並んでいるというのに、食べることも飲むことも忘れてひたすらナチョを愛でていました。いばりんぼうと評判の高かったナチョですが、シュー様(保護時の仮名がシューマッハ)、シュー様とちやほやしてくるおばちゃんに引いていたのか、噂に聞く唸りも噛みもなく、ポップコーンの香りが肉球から漂う可愛らしいお坊ちゃん。

ほんと、可愛らしかったですね。すぐに里親さんが決まってしまうと思ってました。きっと、あっという間に。こんな可愛い男の子のお母さんになる人、いいな、うらやましいなって思って青山をあとにしたのでした。

うちの子にするつもりはなかったの?

チコが逝ったあと、実はもう、ラナ1匹だけで暮らしていくつもりだったんです。理由はいくつかあります。チコの最期がまだまだ生々しく心にも体にも残っていること、チコと同じ(検査数値や画像診断上はチコよりも深刻な)心臓病を抱えるラナに、今後もますます増えていくであろう医療費、保険料、サポートのためのサプリや食事、月々の固定費だけでかなりの額になります。加えて、チコの最期の2週間にかかった夜間救急での処置や酸素室のレンタル等の医療費総額を思い返すと、わが家でもう1匹迎えるのはやめておくべきだろうと思っていました。

ナチョとはじめて出会った”青山ファーマーズマーケット譲渡会”でのことを書いたブログ記事にも引用で書いてますね。

みんなわりと気軽に飼うからわかりづらいんですけど、「うちはいまの生活ではきちんとできないから 動物は飼いません」ということは、いちばんの動物愛護かもしれないと私は思っています。(友森玲子さん)
犬といっしょにいることは。』の中で

これ、もちろん、本当に犬が好きなら安易に犬を迎えることはしないほうがいい ということに大々賛成であるからこそ引用したんですけれど、自分に向けての言葉でもあるような気がしますね、いまみると。喉をとおりこして、胃から手が出るほど迎えたいと思ったナチョでしたが、冷静にいろいろなことを考えると心配なことはやまほどありますからね。どうかこのかわいい坊やが幸せになれるおうちとご縁が結ばれるように、心から応援しようと思っていました。

ラナとの相性心配じゃなかった?

どうかこのかわいい坊やが幸せになれるおうちとご縁が結ばれるように、心から応援しようと思っていました

といいつつ、ラナとの相性とかもちゃっかり妄想の域で考えたりしていたんですけど、ラナとの相性に関しては微塵も不安に感じませんでした。ドッグランでは犬見知りしてスルスルスルーっと、ただただすすーいっと逃げてしまうラナ。狭い道幅の散歩道ではこれ以上こっちこないでねー!と甲高い声で予防線をはるラナ。だけどわたし、ナチョに関しては、ラナ、絶対大丈夫って確信してました。

短いあいだの兄妹関係だったけど、ラナがきて1年ちょっとでチコはお兄ちゃんとしてとっても成長しました。もちろんラナも。ラナがチコから得た幸福感や安心感、これらの大きさは計り知れない。人がしてやれないことをチコはしてくれました。自分がパウや黒にしてもらったようにね。

もうなんというか、ずっと先代の犬たちに助けられている感覚。チコが保護犬としてわが家にやってきてからパウや黒と過ごした日々が、チコにとってこんなにも大きな影響があったんだなぁって、ラナを迎えて改めて犬同士の関係に感心したし、こうやっていつでもパウや黒を感じることができるんだ・・・って、体のないチワワたちのことを、生前同様に、それ以上に、愛おしく身近に感じたのでした。

で、パウ黒のパダワンとして教育を受け、ラナが来て立派なお兄ちゃんとして成長したチコもいまはもういないし、ひとりっこで1年以上暮らしてきたお姫様のラナが、この生意気そうな気の強い面構えの弟とうまくやっていけるんだろうか?という心配ね。ごめん。本当に、微塵もなかったんですよ。

で、なんで迎えることにしたの?

なんででしょうね。だって、こんな素敵な子、すぐに家族が決まるって思ってたのに、なかなかご縁がつながらなかったんですもの!預かりボランティアである仮母さんのブログ記事の、シューマッハプロフィールが、いつ「お見合い予定」や「トライアル中」のステータスに変更されるか、毎回更新のたびにドキドキドキドキしながらみてました。

本当に悩んだんですよ。何度も諦めようとしました。でも、わたし、きっと犬のためならどうにかするでしょ、どうにかできるでしょ。チコが生きていたらそもそも2匹じゃない。

そんなことばっかり思っては打ち消し思っては打ち消ししていたある日の夜の夢で、逝ったっきりなかなか夢に出てきてくれなかったチコにね、背中を押されたんです。単にわたしの都合のいい解釈かもしれないけど、わたしはこれをチコからのメッセージとして受け取ることに決めました。大切な命を、譲り受けることを、決めたんです。

トライアルの2週間をふりかえって

まぁいろいろありましたよ!トライアル中なんて、はじめましての環境1日目から14日目までのわずかな期間なんですから。可愛らしくデレるかと思えば、次の瞬間には唸るし噛むしwもちろんマーキングの問題もあります、9歳まで未去勢で繁殖に使われていた男の子ですしね。トイレの失敗で真っ先にやるべきことは叱責ではなく清掃です(キッパリ)。

唸る 吠える 噛む、これについては、なんでこんなにイライラかんしゃく持ちなのか、原因を、心の奥を、体の痛みも含めて考えてあげましょうよね、これからゆっくりと。唸る、吠える、噛むっていう表面的な行動だけを問題視しないで。

ゴリゴリマッチョの支配性理論信者の人なら、ナチョみたいな犬をみたら「誰が上位なのかキッチリわからせてやるべきだ」と言うんでしょうけど、ナチョには合わなかったでしょうね。まぁね、そんなアドバイスもらったところで要らぬアドバイスです。聞く耳持ちませんよ、時間の無駄。わたしは犬は家族といいながら家庭のなかで格付けして暮らすような矛盾したことをしたいんじゃない。親が子を導く関係は上下関係ではありませんよね?親は子どもを支配するわけじゃありませんよね?親子でも別人格でそれぞれに個性がありますよね?

犬のしつけもそういうことだと思ってます。

マテといえば待てるんです。お座りしないけど。膝とか腰ちょっと痛いんじゃないかな。AT-ATみたいな歩き方だし、腰すこし弧を描いてるし。体全体が強ばってる感じ。痛いときに痛い!ってしないでけっこう力いれて我慢しちゃうタイプですね。

痛いとこがあればそりゃイライラもするよね。そんなときは、はいお灸ー。

痛くてイライラしてるだけじゃないですよ。しぐさや行動から、これまでの習慣や不安定な心がはっきりと透けてみえるので。同じことしててもきのうは褒められたのにきょうは叱られた的な。アイコンタクトとってくるけどアイコンタクトというよりは、不安で顔色みてるかんじ。怒る?怒らない?って。

自分はイライラしやすいくせに、他人や他犬の怒り(鼻ヒク程度でも)には超敏感!理不尽な怒りをたくさん浴びてきたんだろうね。人の手に、とてもイライラします。慣れてきても、一瞬ビクっとして、次の瞬間、「あぁなんだ、おまえか」ってホッとした顔をする。

保護当時の健康状態から

ナチョが保護された8月6日、ワンドクさんで行ってくれた健康診断。ナチョはPlatとALKPの値が高値でした。ALKPって肝臓や胆嚢の指標となる数値なんですが、東洋医学的な見方(陰陽五行説)をすると、”肝”は”木”に属する臓器です。

肝と関係がある感情は“怒”。なんとなくイライラしたり怒りっぽくなっているときは、肝が病んでいたり気の流れが悪くなっていると言われています。 イライラ怒りっぽくてかんしゃく持ちなシュの、肝臓の値が高値って、頷けません?もちろん、心のバランスを崩しているからこうだって決めつけてるわけじゃなくて、これまでの食生活や生活習慣や体質などもあるのでしょうけれど。肝と同じ五行に属する味が“酸”。肝の状態が悪い時には酸っぱいものを食べるのがいいとされてます。なので、トライアルスタートしてから、ナチョのごはんにリンゴ酢を入れたりね。

肝はストレスに弱い臓で、気の流れが悪くなるいわゆる“気滞”の状態になると、イライラ、緊張、情緒不安定、怒りっぽくなったり。肝と関連する目、筋、爪などにもその徴候が現れがちです。シュにも、あぁなるほど、そうかもね、と思えるサインはちらほらありますよ。そこをケアしていくのもまた保護犬を迎えた飼い主の醍醐味というものです。

ラナとの関係

心配してなかったって書きましたが、本当に心配要らなかったです。ラナの性格的に、ベタベタ団子になる感じではないんですけど、明かにラナがうきうき楽しそう。ケンカもしますけどね。

チコのときはチコのこと、大好きなお兄ちゃん!って感じで仲よくしてましたが、ナチョには強いですねー、お姉ちゃんぽい感じがまったく想像つかなかったのに、すっかりお姉ちゃんです。

留守番させる体で玄関の外に出て、フリーの2匹を観察してたんですが、なんとまぁ、ラナがお姉ちゃんぶってちょっぴり威張りつつ、ちゃんとコミュニケーションとってるじゃありませんかw

これからどんな姉弟に育っていくのかとってもたのしみなラナ&ナチョです。チコ兄さんも応援してるよ!ラナ姉さん!

さいごに

まだまだ書きたいことがたくさんあったはずなのに!それはまた別の機会に、これからいくらでも、ラナ&ナチョの成長とともにたくさんアップしていきたいとおもいます。

わたし、WonderfulDogsの素晴らしいなー大好きだなーと思うところは、保護した犬たちのこと「こんな悲惨な犬だった」「こんな可哀想な犬だった」と紹介せずに、「こんなに素晴らしい子!」「こんなに素敵な犬!」と紹介してくれるところ。仮母さんのブログとか、いつもほんと楽しみにしていて毎日のぞいちゃう。

だからこそ、里親になる側も、スタートするときから明るく前向きな気持ちで犬と向かい合っていけるんじゃないかなって思います。ラナに続いて素晴らしいご縁をありがとうございます!ラナ同様、ナチョのことも心から大切に、みんなで幸せを重ねていきますね。

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