それぞれの心臓病、いままでとこれから

blog, シニア犬との暮らし, チワワ日記, 変化に気付こう, 病気に気付こう, 鍼灸

わが家の犬たち ケーススタディ

さくら(柴犬)

さくらは実家にいた柴犬です。
近所で産まれた仔犬で、未熟児で産まれたため、ほかの兄妹たちより体がちいさく、成長の遅い仔犬でした。
若いころに心臓病を発症し、散歩中に座り込む、時折発作を起こして意識を失うといったこともありました。当時(昭和50年代)は今とちがって心臓の検査種類も少なく、よい治療薬もありませんでしたので、発作を起こしたときに飲ませるお薬しかもらっていませんでした。
あまり長生きはできないかもしれないと言われていたのですが、生来もちあわせていた穏やかな性格が安静を保つという点で幸いしたのか、なんなのか、理由はわかりません。
結果からいいますと、心臓病とはまったく関係なく、18歳を目前にした17歳11ヶ月のときに、老衰で他界しました。

チコ(チワワ)

とびきりの健康優良児だったチコ。特になんの不安も持たず、狂犬病ワクチンを打つためにかかりつけの病院に行った2012年5月、いつものように聴診器をあてた先生が「ん?」と首をかしげ、もうひとりの先生(循環器の専門医)に、ちょっと音聴いてみてと聴診器を渡したときのこと、よく覚えています。心雑音のレベルも、極々微弱な雑音だったようで、かなり注意深く聴いていました。聴診する先生によっては”心雑音なし”とされることもあるレベル。
心雑音レベルを分けるとこのような感じになります。このときチコはレベルI。

  1. 微弱な雑音で、注意深い雑音でのみ聴取できるもの。聴音持続の確認が必要である。
  2. 聴診器を当てた途端に聴くことが出来るが、弱い雑音
  3. 中等度の雑音で、明瞭に聴取できる。
  4. III度とは異なり、耳に近く聞こえる強い雑音。
  5. 聴診器を胸壁から離すと聞こえないが、聴診器で聴く最も強い雑音。
  6. 遠隔雑音で、聴診器無しでも聴くことが出来る

はじめて雑音が確認されたとき、あわせて他の検査もしました。自覚症状(疲れやすい、散歩中に座り込む、咳等)もなければ、心電図、血圧、カラードップラーエコー、レントゲン検査の結果でも「まだお薬ははじめなくていいね」という程度。問題の箇所は僧帽弁と大動脈弁の閉鎖不全です。
そこからは、3ヶ月に1度は上記の検査をしていました。
はじめての検査から1年後に、検査上、すこし進行があったかもということで、ACE阻害薬(エースワーカー)の投薬がはじまりました。
投薬後も投薬前と同じで、自覚症状の類いは全くありませんでした。2016年の5月までは。あまりにも急でした。恐らく、気管支炎の咳が原因で腱索断裂を起こし、肥大していない心臓に大量の血液が流れ込んでしまったことで急性期を迎えたのではないだろうかと思いますが、いまとなってはなにもわかりません。

ラナ(チワワ)

ラナはWonderfulDogsさんで2014年11月に保護され(当時8歳)、2015年の1月にわが家でトライアルを開始、正式譲渡となりました。保護した最初の検査では心雑音が確認されなかったそうですが、トライアル前には弱い雑音が確認されるようになっていたそうです。おそらくこの時点の雑音レベルはIIくらいであったかと思います。
わが家に迎えてから(2015年2月13日で9歳)かかりつけ医で検査を行った結果、チコと同じ薬(ACE阻害薬/エースワーカー)の投薬を開始することになりました。問題の箇所は僧帽弁と三尖弁の閉鎖不全。大動脈弁も微妙な感じで逆流がみられました。チコとの違いは、チコは左の弁だけですが、ラナは右の弁(三尖弁)にも閉鎖不全があるという点。
チコといっしょに、2〜3ヶ月おきに、定期的に心臓の検査をしており、エースワーカーのみの投薬でした。チコが他界したあと、近所に循環器を得意とする専門医(心臓手術チームにいたこともある先生)が開業したこともあり、セカンドオピニオン感覚で、そちらの病院に行って検査をしてみることに。
それまでのかかりつけ医で行っていた検査(心電図、血圧、カラードップラーエコー、レントゲン検査)のほかに、この病院では心臓ホルモン検査(血液検査)もしました。外注検査になりますが、心臓病の治療には欠かせないといってもいいほど、大切な検査だと思います。
心臓ホルモン検査は、心臓の元気度を判定する検査になります。心臓にどれだけ負荷がかかっているのか、ANPとBNPという値で調べます。人間の心臓病の治療では、BNPは心不全の病態把握のためだけでなく、心不全の診断のためにも使われるようになりました(2007年〜)。

心臓ホルモン検査でわかること

ANP高値の場合は心房負荷や循環血漿量の増加を起こす病態の存在があるということ、心不全や腎不全の重症度や治療効果の判定に使います。
BNP(正式名:脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、心室からの血液中に分泌されるホルモンで、心室に負荷がかかると分泌されるホルモンです。心臓に負荷が増えたり心筋の肥大がおこると増加するので、血液中の濃度を調べることで、心臓の状態がわかります。心不全の指標としてはANPよりも優れています。
犬の正常値:ANPは0~30、BNPは<900

その後のラナの転院と治療について

ラナがその病院で初診のときに検査したときの結果は、ANPが69.4、BNPは2244。正常値を大きく上回る数値でした。自覚症状(咳、疲れやすい等)は一切なく、心雑音レベルも変化なし、レントゲンでは心肥大もなく肺もクリア、エコーでの吐き出し値もさほど問題なく、左房大動脈比はほぼ正常値にも関わらず。
それまではエースワーカーを1日1錠でしたが、この検査後、ピモベンダン(ピモベハート)を追加で投薬することにしました。病院も、いままでのところからこの病院に転院。
数値の推移はこんな感じです。

メモのところに、投薬開始や増薬の記録をつけています。
ラナは本当に、自覚症状はまだなにひとつありません。咳もなければ疲れやすいということもなく、食欲もあり元気もあります。見た目ではまったくわかりません。自宅安静時のバイタル(心拍数、呼吸数、血圧、平熱など)も正常です。
※バイタルチェック※
成犬の平熱:37.5~39.2
心拍数:1分で60〜140(15秒で15〜35、小型犬は180ある場合も)
血圧:歯茎を押して白くなったら指をはなし2秒未満で戻れば正常、2秒以上のときは脱水やショック、低体温など
呼吸数:1分で10〜35回
心臓病の犬はとくに呼吸数と心拍数を日常的に計測しておくとよいかと思います。その子によって、ふだんなんでもないときの数値は異なります。呼吸数計測してグラフ化してくれ、ふだんから20%UPした場合(または30回を超えた場合)教えてくれる無料アプリもあります(記事内でご紹介してます)
病院で検査する一般的な心臓検査も、心臓ホルモン検査を除けば前回と変わりなく、変わっていたとしてもうーん、微妙?ちょっと大きくなったように見える???いや、変わらない???という程度。なので、心臓ホルモン検査をしていなければ、お薬の種類が増える判断も、量が増える判断もなかったと思います。前の病院だったらいまでもエースワーカーを1日1錠だけだったかもしれない。
数値だけを盲信するわけではありません。数値は気にしながらも、数値に一喜一憂してふりまわされないようにしたほうがいいです。ただ、心臓病はいったん患ってしまうとよくなること(元通りになること)はありません。
心臓病は、心臓病になったことでさらに心臓に負担をかけることになる病気です。症状の出はじめ=心臓病の早期ではなく、症状(咳や失神)が出はじめるのは心臓病がかなり進行してからです。後手後手に治療をするよりも、先にできることがあるならばそれをしておきたい。
そして、何よりも、数多くの心臓病の犬たちの症例を診て判断してきた主治医を心から信じています。主治医への信頼は大切なラナを託す上で本当に重要なことです。獣医師になにもかも丸投げでお任せにするということではありません。二人三脚でラナの心臓をケアしていく。どんな細かい質問にまでも、時間をかけて丁寧に穏やかに納得のいく回答をくれる主治医は本当に頼りになる存在ですし、必要不可欠な存在です。

手術という選択肢

現在の主治医は心臓手術のチームにいたこともあり、選択肢のひとつとして外科手術もあるということを言って頂きました。手術自体の成功率は高いと聞いていますし、実際に手術で元気にしている子も見聞きしています。ただ、主治医も言っていたのですが、手術が最良になるかどうかは本当にわからない。さくらのように、心臓病と付き合いながら、心臓病とは関係なく、老衰でのんびり穏やかに逝くこともある。
ラナが毎月メンテナンスで通う鍼灸の先生のところにも、心臓の手術を受けたチワワが2匹います。1匹は術後失明してしまいましたが(手術との因果関係は不明です)とても元気にしているそうです。もう1匹の子は、残念ながら術後の合併症で、他界してしまいました。
人間の心臓手術でも同様ですが、心臓手術の際におこり得るもっとも重い合併症のひとつが脳梗塞です。人間の医療でも、これを完全に克服できている施設は世界に一つとしてない状況です。
術後合併症を避けるため、人間の手術においては、現在では心臓を止めずに手術する方法がかなり広く行われていますが、犬の心臓病手術では人工心肺装置を使って心臓を一度止めて行う手術です。合併症は出るかもしれないし、出ないかもしれない。出る場合も、術後すぐに出るか、それとも数年後に出るのか、それもわかりません。
心臓外科手術の入院は1週間程度で済む(早い子はもっと早い)そうですが、ラナの性格を考えても、わたしはラナの治療に手術という選択肢をとる勇気を、まだ持てません。

心臓病についておさらい

心臓の役割

拍動を続ける臓器。拍動のたびに血液は少しずつ送り出され全身に酸素や栄養素が運ばれる。心臓は全身に血液を循環させるポンプの働きをしている。

このポンプ機能が低下する様々な病気を心臓病と言いますが、全ての犬の1015%、10歳以上の中、高齢犬では30%以上が心臓病を患っているといわれています。いったん患ってしまうとよくなること(元通りになること)はありません。

心臓はポンプとして働くために次の要素を持っています。

  • 拍動を生み出す筋肉
  • 血液の逆流を防ぐ弁
  • 規則正しく血液を送り出すリズム
  • 血液がスムーズに流れるための血管

これらのどれかひとつでも不具合がでると心臓というポンプは正しく働くことができなくなります

具体的な病名

  • 心筋症(心臓の筋肉の不具合)・・・心臓の筋肉が分厚くなってしまったり薄くなってしまったりして効果的に血液を送り出せなくなってしまう
  • 弁膜症(弁の不具合)・・・弁の閉まりが悪くなることで血液が逆流してしまう。
  • 不整脈(拍動のリズムの不具合)・・・拍動のリズムが一定でなくなってしまい効果的に血液が送り出せなくなってしまう

心臓病の症状

定期的に動物病院を受診しているときに発見されやすいのが心雑音です。健康な心臓の心音と心臓病(弁膜症)の心音の違いがわかりやすくアップしてあったので貼っておきます。

健康な心臓の心音と心臓病(弁膜症)の心音の比較


(上記ビデオはロイヤルカナンの療法食ビデオの一部です)

その他心臓病の症状

  • 吐き気
  • 呼吸困難
  • チアノーゼ
  • 腹部膨満
  • 虚弱
  • 体重減少

心臓病の進行

心臓の働きが低下(ポンプの働きが低下)すると、心臓が送り出す血液の量が減ります。

(血液の役割:酸素を運ぶ)

血液は酸素や栄養素、水分を運びます。

心臓のポンプ機能が低下すると血液の送り出される量が減る

酸素や栄養素が隅々など届きにくくなる

体は、少ない血液をできるだけ効果的に全身に届けようと血管を収縮して細くする(水を勢いよく出すためにホースの先を摘まんで狭めるのに似ている)

血管を細くしても血液の送り出される勢いを強くしても問題は解決されるわけではない(勢いを強くしても送り出される血液の量が少ないことには変わらない
/血液中の酸素や栄養素の量が増えるわけではない)

体は血管を細くするのと同時に血液の量も増やそうとする

血液を送り出す血管を細くして血液の量を増やすと血液の渋滞が起きる

心臓の負担が大きくなる(心臓病になったことでさらに心臓に負担をかけることになる)

負担がかかり大きくなってしまった心臓は気管を圧迫し、慢性的な咳などの症状が出るようになる

心臓に戻りきらない血液中の水分は血管の外に出てしまう

血管内から漏れ出した水分がお腹に溜まると「腹水」という状態になり、肺の中で漏れ出ると「肺水腫」という状態になる。肺水腫は呼吸困難を起こし命に関わる。

心臓病が進行すると、咳や呼吸困難などによる体力消耗と疲労、薬の副作用、食欲不振と体重減少を引き起こします。

体重減少は病状を深刻化させます。心臓病の体重減少はただの体重減少ではなく、普通の体重減少のように脂肪を失うのではなく、心臓性悪液質では筋肉をどんどん失っていく特殊な痩せ方をしてしまいます。

心臓病を患ったときの大切なポイント

  • 薬・食事・運動制限などで総合的に心臓をサポートして病気の進行をできるだけ遅らせる
  • 薬によって心臓の負担を軽くし、血液を流れやすくする

定期的な検査が大切(必要な検査)

  • 聴診
  • レントゲン
  • エコー
  • 心臓ホルモン検査(血液検査)

わんちゃんと心臓のおはなし(小冊子&アプリの紹介)

主治医のところにこんな可愛いイラストでわかりやすく心臓病のことを書いている小冊子が配布されていました。

べーリンガーインゲルハイム ベトメディカジャパン株式会社が出している小冊子です。こんなに可愛いイラストで読みやすい冊子が待合に置いてあれば、主治医から説明受けるときもあたまにスルスル入ってきそう。

なんと、このメーカーさん、心臓病の犬と暮らす飼い主にはとてもうれしいアプリを無料配布してくださってます。じゃじゃーん!
犬用 安静時呼吸数測定無料アプリ。さっそくインストールしてみました。こんな感じです。現在App Store・Google PlayでiOS版/Android版がダウンロード可能だそう。Heart2Heartで検索してダウンロードしてみてくださいね!

安静時または睡眠中の呼吸数の増加は心不全の徴候の一つです。
安静時呼吸数が通常より20%以上増加していたら受診の目安になります。
ベーリンガーでは無料の犬用安静時呼吸数測定アプリ Heart2Heart Canine RRR App を提供しています。
安静時または睡眠中の呼吸数を測定しましょう。
App Store・Google PlayでiOS版/Android版がダウンロードできます。
“Heart2Heart”で検索してください。
インストールするときちんと日本語版で出てきますのでご安心ください。

飼い主が日々の生活でできること

本当に効果があるものもあれば、気休め(主に飼い主の)でしているものもあります。いちばん大切なのは、このブログのさいごに”とても大切なこと”として書きます。

東洋医学

  • 鍼灸治療(通院)
  • ツボ押し
  • お灸
  • 漢方(ラナが使用したことのある主な漢方は木防已湯、その他、鍼灸師資格と獣医師資格を持つ医師の処方により何種類かの処方を受けています。咳ひとつとっても「どんな咳か」「なにが原因の咳か」「現在の体調」などによって処方される漢方が異なります。
    ※漢方は”副作用のない薬”ではありません。甘草は取りすぎると血圧が上がる、体がむくむ、血液中のカリウムが低くなるなどの症状が出る場合もあります。その子の体質に合った漢方、投薬中の薬と飲んでも安心な漢方であるかどうかは、中医学をしっかりと学び、漢方治療による多くの症例を知る獣医師の処方をおすすめします。場当たり的な知識で飼い主がネットなどで安易に入手し愛犬に与えると、愛犬に負担を与えることもあります。

ツボ押しやお灸のときの、心臓によいツボがあるのでご紹介しますね。
まず、上の赤い印のところ。こちらは心臓のツボ。
肩甲骨のあいだの真ん中あたりに、触るとすこしへこんでいる部分があるのですが、心疾患に効果のある心臓の経穴だそうです。その両脇も、心兪(しんゆ)というツボで心臓病に効果のあるツボ。強心作用、血圧降下作用、利尿作用などがあり心臓病の特効穴といわれています。お灸のほか、親指と人差し指で挟むようにやさしく揉んであげたり、指圧したりすると気持ちがよいツボです。
その下の、紫色のところは腎兪(じんゆ)という腎臓のツボ。中国医学では腎が衰えると精力や気力が減退し、元気がなくなると考えられています。腎兪を刺激すると老化防止にもいいと言われているそうですよ。心臓病は、とくに腎臓といっしょにがんばっていかなければならない病気です。腎機能を整えてあげられるツボとして、覚えておいて損はないツボです。
心臓のツボをもうひとつ。へそ天でお休みのときにでも、やさしくやさしく(敏感な場所なので本当にやさしく!)円を描くようにマッサージすると気持ちよさそうにしてくれます。こちらは膻中(だんちゅう)というツボ。胸骨(喉の下からみぞおちまで続く骨)の、下1/4あたりにあるツボです。心の緊張をほぐしてくれる効果もあるそうです。

リラックス

  • アロマ
  • マッサージ

リラックスできる香りのマッサージオイルで自分の手足をマッサージしたあとその残り程度の量でラナをマッサージしています。最近ではそのマッサージオイルの蓋をはずそうとしただけでラナが腹出しでマッサージ待ち(催促)はじめます。アロマとマッサージについてはまた後日追記します。
犬に安全で、犬が好きな香りであること、香りが強すぎないこと、質のよい精油を使うことも重要です。

サプリ・栄養補助食品(心臓病の犬がよく使用しているもの)

とても大切なこと

犬にとって重くならないように、これだけは気をつけてます、気をつけていないと重くなりやすいので(笑)前回の記事”Amores Perros – Love is a bitch!?”でも書きました。

わたしがふだん犬に対して心がけていることは、感傷的、感情的にならないこと

冷静さが大切です。冷静でないと、様々な選択肢が浮かんできません。選択肢があるにも関わらず選択肢が見えない状態で突き進むと、まずあまりよい結果にはなりません。
ごはんをつくるとき、あげるとき、薬をあげるとき、ラナを撫でるとき、心をこめて、(おせっかいにならないような)愛をこめて、自分のなかにある精一杯の優しさをこめて、それらのことをしていますが、呪いとなるような重い思いが混ざらないようにしています。例えば、必ずよくなってね、治ってね、死なないでね、など。
薬をあげるときも、主治医と話して治療方針を決めたなら、その薬を投薬すると決めたなら、まだ出てもいない副作用について余計な心配をしない。ネットで検索してその情報だけを切り取ってみれば副作用の心配で頭がパンパンになってしまう気持ちもわかります。だから主治医との信頼関係はとても重要。定期的な検査も重要。
これは自分の精神衛生上とても大切なことですし、飼い主であるわたしの精神を安定させることは、犬を安心させ安定させるためにも大切なことです。
体に触れる、声をかける、撫でる。とても大切なコミュニケーションです。愛犬の好きな香りで、リラックスできるアロマを使うのもいいアイデアだと思います。しかしそれらを活かすには、飼い主の手と声で愛犬がリラックスできる関係であること(飼い主の手と声が常に心地よいものであること)、犬としての基本的な幸福度(散歩やノーズワークなどによる脳刺激)が足りていることが、とても大切です。がむしゃらに飼い主の思いだけをぶつけるのは酷です。著名なドッグトレーナーが、よく、自身の番組で言っている言葉がありますよね、「犬はいまを生きている」って。
病気に怯えているのは犬ではなく飼い主です。
当然です。愛犬が苦しんでいる姿を見れば、代われるものなら代わってあげたいと思う。犬は飼い主より先に逝ってしまうことが定めとは知っていても、傍ににいる、温かい、この無償の愛の塊のような愛しい犬と別れるのは本当につらい。キツい。想像もしたくない。
でも、飼い主がどんなに不安になろうとも、どんなに悩んでいようとも、犬たちは本当に強く気高く達観しています。どんなに具合が悪いときでも、いまの状態を淡々と受け入れて、死ぬことを怖がったり、悩んだり、していない。
そんな犬たちをみながら、愛犬のために飼い主ができること、どんな心構えでいてあげたらいいのかを考えると、そこはもう、弱虫な飼い主的にはものすごいやせ我慢をするしかないんです。一方的な重い愛や、重い思いを押しつけないように。
どんな病気になっても、どんな状態になっても、必ず受け入れます。必ず寄り添います。あなたたちの小さな心臓が元気に動いていても、止まりそうでも、止まってしまっても、わたしの愛はいささかも揺るぎません。
大丈夫。安心してね。ずっといっしょだから。May the Force be with you!

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事一覧