May the great spirit guide you always for Dennis Banks

blog, 雑記

母が亡くなる年で世紀末(1999年)に出会ったデニス・バンクスさん。

わたしの誕生日に職場にメッセージを残していってくれました。99年に32歳ってことは・・・っていう逆算はナシで😏

幼い頃から白人にアイデンティティを激しく否定され、差別を受け、若い頃は第二次世界大戦中で、戦後は日本にGIとしてやってきて(そのときに日本人女性と同棲をしてお子さんをもうけています)日本にいたとき、同期が日本で自殺をしてしまったり、それから、広島に行って、まだ生々しい、被爆地の状況を目にしたり帰国後AIM(アメリカインディアン運動)を立ち上げて活動したり、その後、活動を共にする仲間が不当逮捕で投獄されたり、殺されたり、

とにかくわたしが産まれる前のデニスさんの人生はものすごく波瀾万丈で、その心の中はわたしなんかが推し量れるものではないけれど、きっと若者らしい熱い正義感や義憤、自らのルーツや文化を取り戻そうとする心に突き動かされて活動していたに違いありません。

でも、わたしが出会ったときのデニスさんは、既にそういったものを凌駕し内包し、すべてを受け入れていたデニスさんでした。お酒が大好きで、おちゃめで、突き抜けてて、とにかくチャーミングで温かい大きな人。大好きでした。

ナワ・カミッグ(デニスさんのインディアン名)のティーピーというタイトルで、いろんなお話も聞かせてもらいました。その年立ち上げたネットショップの店名をHAPPY TEEPEEにしたのもそんな理由からです。

Welcome to Nowa Cumig’s Teepee.Let’s sit around the fire and listen to his stories.
(ナワ・カミッグのティーピーにようこそ。火のまわりを囲んで座り、彼の話に耳を傾けてみよう)

お話のタイトルだけ書いときます。こんなお話です。別の機会に、デニスさんから聞いたお話を、なにかに織り交ぜたいと思います。そうやって、”お話”っていうのはずっと昔から広がって残ってきたものだと思うから。

    • All Life is Sacred.(すべての命は神聖である)
    • The Circle(輪)
    • The Plant-Life:Native Philosophy(植物たち:ネイティブの考え方)
    • The Bird Life(鳥たち)
    • The Four-Leggeds(4本足で歩くものたち)
    • On Healing(癒やし)
    • The Women(女性)
    • How the pipe came to Native peaple(パイプがどのようにしてネイティブの人々のもとにやってきたのか)
    • When White Buffalo-calf woman came(ホワイトバッファローカーフウーマンが我々のもとにやってきたときの物語)
    • The DRUM(ドラム(太鼓))について
    • Why the Sweatlodge came to the peaple.(どうして人々のあいだにスウェットロッジが知られるようになったかについての物語)
    • The Moon Lodge(ムーンロッジ)
    • On Greeting a stranger(よそ者を迎え挨拶をする本当のやり方について)
    • Understanding a Gift(贈り物とはなにかについて理解する)
    • Respecting the elders(年長者を敬うことについて)
  • When a young boy become the teacher(子どもに教えられた話)

デニスさんと出会わなかったら、ネイティブアメリカンの文化や死生観に触れないままだったら、その年の年末突然訪れた母の死を受け入れるのがもっと困難だったと思うし、北米、中米、南米の先住民文化のこと、深く掘り下げずに過ごしたかもしれない。

アメリカ原子力開発の現場から先住民の生活が切り離すことのできない問題であったことも、いまもなおその問題は続いていることも、ダコタ・アクセス・パイプライン建設に日本のメガバンク3行が巨額の出資をしていて、38行中の1位と2位であることも、興味も持たず知らなかったことかもしれない。

とにかく、デニスさんと出会ったことで、わたしのなかでいろんなことが変わりました。

日本以外の、だけど日本も深く関わっている世界の問題に目を向けるようになったこととか。地球人がバルカン人に出会ってぐわっと変わったように、わたしもその時期に、大きな変化があったと思います。

なんの音楽設備もない古ぼけた場所で、その場にいたミュージシャンと共に即興で行われたデニスさんのネイティブアメリカンドラム、大倉正之助さんの鼓、ラティール・シーさんのドラムのスペシャルドラムセッション、生涯忘れません。

きっとデニスさんはご自身のドキュメンタリーのように

A Good Day to Die(今日は死ぬにはよい日だ)


そう言いながら旅だったのではないかと思います。
わたしが出会った99年、デニスさんはわたしにこんな言葉をくれました。

May the great spirit guide you always.(偉大なる精霊の導きが常にあらんことを)

Spirit Worldは、いわゆるあの世のこと。Spirit Worldに旅だったデニスさんに、今はわたしが、もらった言葉を。
May the great spirit guide you always.
心からの感謝をこめて。

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